債務整理 倒産をわかりやすく解説|任意整理・個人再生・自己破産の違いと生活への影響

借金を返済するには?弁護士と相談したい借金問題について

債務整理 倒産をわかりやすく解説|任意整理・個人再生・自己破産の違いと生活への影響

借金相談弁護士写真

この記事を読むことで分かるメリットと結論

まず結論を先に言います。借金の問題で「倒産」に近い状況になりそうなら、放置すると事業・生活がさらに悪化しますが、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)にはそれぞれメリットとリスクがあり、状況に応じて適切な手続きを選べば生活再建の道が開けます。本記事を読めば、自分に合った手続きの見分け方、費用や期間の目安、生活・就労への影響、および相談先がはっきり分かります。専門家に早めに相談することで選択肢が広がり、将来のダメージを小さくできます。



1. 債務整理と倒産の基本を理解する — まずは「何ができるか」を知ろう

債務整理と倒産は似ている言葉に見えますが、意味が違います。債務整理は「借金の整理をする方法の総称」で、任意整理・個人再生・自己破産など複数の手段があります。一方「倒産」は法律上は会社の支払い不能や破産手続の開始を指すことが多く、企業だけでなく個人(事業者)が破産する場合も含まれます。つまり、債務整理は「倒産を避けるあるいは整理して再出発するための手段」と考えてください。

- 債務整理の目的:返済負担を減らし、生活や事業を継続または再建すること。
- 主な手続き:
- 任意整理:債権者と交渉して将来利息の減免や支払期間延長を合意する非裁判的な方法。
- 個人再生(民事再生):裁判所を通した再生手続きで、住宅ローン特則を使ってマイホームを残しつつ借金を大幅に圧縮することが可能。
- 自己破産:裁判所で免責を得て原則すべての支払義務を免れる。ただし職業制限や資産処分、一定期間の信用情報登録などの制約があります。

メリット・デメリットの要点:
- 任意整理:手続きが早く費用が比較的安いが、返済計画は債権者次第であり、過去の利息の取戻し(過払い金)がある場合は別途手続きが必要。
- 個人再生:借金を大幅に圧縮でき、住宅を残せる可能性があるが、手続きが複雑で弁護士費用や裁判所手数料がかかる。
- 自己破産:借金の大部分が免除されるが、職業や資産への影響、社会的な制約(家族への影響含む)がある。

倒産を選ぶべきケース/避けるべきケースの判断材料:
- 倒産(破産)を選ぶべき:返済の見込みがまったくなく、再建の余地がない場合や、負債があまりにも大きくて他の手段で解決できない場合。
- 倒産を避けるべき:就業制限や社会的影響が大きく、別の手続き(個人再生や任意整理)で再建可能な場合。

よくある誤解:
- 「自己破産すれば全て丸く収まる」→職業上の制限や家族への影響、信用情報への登録期間など現実的な代償があります。
- 「任意整理なら信用情報に残らない」→任意整理も信用情報に登録され、一定期間ローンやクレジット利用に影響します。

事例から学ぶ判断材料(簡潔に):
- 売上が回復見込みのある小規模自営業:個人再生で再建した方が多い。
- 収入が途絶え長期に回復見込みがない場合:自己破産が現実的選択肢になることが多い。

注意:本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。具体的判断は弁護士・司法書士に相談してください。

2. 債務整理の手続きと流れ — 相談から完了まで何を準備する?

債務整理を考え始めたら、まず相談窓口を決めて必要書類を揃えることが重要です。以下は典型的な流れと準備事項です。

2-1 相談から依頼まで:窓口の選び方と準備
- 相談先の選び方:弁護士会や司法書士会、法テラス(日本司法支援センター)が代表的。初回相談が無料か有料か、費用の目安、対応の丁寧さ、実績(任意整理や個人再生の経験)を確認。
- 準備するもの:借入一覧(金融機関名、借入残高、契約日、返済額)、給与明細(直近数か月)、預金通帳の写し、身分証、家計収支表。

2-2 必要書類と事前チェックリスト
- 身分証明(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 借入関係書類(契約書、請求書、通帳記帳)
- 収入証明(源泉徴収票、給与明細、確定申告書等)
- 住民票や戸籍(場合による)
- 不動産や車の所有証明、保険の契約証書

2-3 手続きの大まかな流れと期間の目安
- 任意整理:相談から交渉完了まで通常3~6ヶ月程度。債権者の数や交渉の進み具合で変動。
- 個人再生:申立てから再生計画認可まで6ヶ月~1年程度。住宅ローン特則を使う場合は手続きが慎重に行われる。
- 自己破産:申立てから免責確定まで6ヶ月~1年程度。管財事件になると期間が長くなる(1年以上)。

2-4 費用の構成と負担を抑えるコツ
- 弁護士費用や司法書士報酬、裁判所手数料、実費(書類取得代等)がかかります。
- 費用を抑えるコツ:法テラスの費用立替制度や分割払い、着手金の低い事務所を探す、初回相談で費用内訳を明確にする。

2-5 弁護士と司法書士の役割と選び方
- 弁護士:裁判的手続(個人再生や自己破産)や、複雑な債権者交渉に強い。職務範囲が広く訴訟代理が可能。
- 司法書士:簡易裁判的な案件や債務整理(一定の金額以下の代理権がある)を扱う。費用は比較的安価だが、対応可能な範囲が法的に制限されることがある。
- 選び方:実績(処理件数)、費用体系、面談時の説明の分かりやすさ、口コミや紹介での信頼性を確認。

2-6 申立前に知っておくべき留意点(家計・就業への影響)
- 家計を見直して減らせる支出を明確にする。
- 自己破産を選ぶと職種によっては一定期間就業制限がかかる可能性がある(法律上の制限職種については確認が必要)。
- 住宅ローンや車の扱いは手続きによって大きく異なるため、事前に確認する。

2-7 法テラスなど公的窓口の活用法
- 法テラスは収入要件を満たせば無料相談や費用立替が利用できる場合があります。自治体や各弁護士会・司法書士会も相談窓口を設けています。
- 初回相談時に法テラス利用の可否や条件を必ず確認すること。

2-8 進捗確認の見極め方
- 依頼後は担当者と定期的に連絡を取り、交渉状況や裁判所からの通知を早めに共有してもらう。
- 交渉が難航する場合、別の手続き(個人再生や自己破産)に切り替える判断を早めにすることが重要。

3. 代表的な債務整理の種類と適性を深掘り — どれが自分向き?

ここでは任意整理、個人再生、自己破産のそれぞれについて詳しく説明し、どんな人に向いているかを実例とともに解説します。

3-1 任意整理の特徴と向いているケース
任意整理は、弁護士・司法書士が債権者と直接交渉して利息カットや返済期間延長を目指す方法です。裁判所手続を使わないため比較的早く解決することが多いのが特徴です。
- 向いているケース:複数の消費者金融やクレジットの利息負担が重く、収入自体は安定している人。返済能力がある程度あり、将来的に継続して返済できる見込みがある場合。
- 信用情報への影響:任意整理をしたという記録が信用情報機関に残る(通常5年程度の登録が多い)。
- 費用目安:1社あたりの交渉で着手金数万円、成功報酬も数万円~(事務所により差あり)。(目安は最終の参考出典を参照)

3-2 個人再生の特徴と向いているケース
個人再生は裁判所を通じて借金総額を大幅に圧縮し(小規模個人再生なら原則5分の1程度まで圧縮されることもある)、住宅ローン特則を利用すれば住まいを残すことも可能です。
- 向いているケース:自営業や会社員で収入が一定程度あり、住宅を残して再建したい人。借入総額が大きく任意整理では対応できない場合。
- 信用情報への影響:個人再生の記録が信用情報に残り、ローンなどの審査に影響が出る(通常5~10年程度)。
- 費用目安:弁護士費用は数十万円~、裁判所手数料等が別途必要。

3-3 自己破産の特徴と向いているケース
自己破産は裁判所で免責が認められれば借金の支払義務が免除されます。ただし、財産は処分され、一部の職業や資格には影響が出る場合があります。
- 向いているケース:収入の見込みがなく、返済が不可能な場合。借金の大部分を免除して生活再建を図る必要がある場合。
- 信用情報への影響:自己破産は信用情報に記録され、通常5~10年程度ローン利用が難しくなります。官報に破産手続が掲載されるため情報が第三者にわかる可能性がある点は留意が必要。
- 費用目安:同様に弁護士費用が必要。管財事件になると管財人費用などの実費が増える(管財事件では最低でも数十万円~の管理費用がかかることがある)。

3-4 それぞれの手続きによる信用情報への影響
信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行協会の情報センター)には、任意整理・個人再生・自己破産の情報が登録されます。登録期間は手続きの種類や機関によって異なりますが、任意整理はおおむね5年程度、個人再生・自己破産は5~10年程度とされています。これによりローンやクレジットカードの審査に影響が出ます。

3-5 費用・期間の目安と実務的な比較
- 任意整理:期間3~6ヶ月、弁護士費用は比較的安価、成功報酬型の費用体系が一般的。
- 個人再生:期間6ヶ月~1年、弁護士費用は高め(30万~100万程度が目安の範囲)、裁判所手数料や官報公告費等が必要。
- 自己破産:期間6ヶ月~1年(管財事件だと長期化)、弁護士費用と管財人費用が主な負担。

3-6 過払い金請求との関係と併用の可能性
過去に高い利息を支払っていた場合、過払い金が発生している可能性があります。過払い金は任意整理や自己破産と別に請求できる場合があり、返還を受ければ債務額を減らせることがあります。ただし、消滅時効や契約内容によって取り戻せるかは異なります。

3-7 管財人の有無・職業制限の実務的影響
自己破産で「管財事件」になった場合、管財人が選任され財産の現金化や配当手続きが行われます。これにより手続き費用が上がり、手続き期間も延びます。また、弁護士資格や警備業など一部職業では影響が出るため、職業により慎重に判断する必要があります。

3-8 家族や事業への影響とリスク回避のポイント
- 家族への影響:連帯保証人がいる場合、連帯保証人に請求が行く可能性があるため配偶者や親族に事前説明をすることが重要です。
- 事業への影響:個人事業主の場合、事業資産や仕入先との信頼関係が損なわれるリスクがあります。法的手続きの選択とタイミングで影響を軽減可能な場合もあります。

4. 実務的ケーススタディとアドバイス — リアルな事例から学ぶ

ここでは具体的なケーススタディを紹介します。実務経験や複数の事例を元に、どのように判断し処理したかを率直にお伝えします。

4-1 自営業者が任意整理を選んだケースの流れとポイント
Aさん(自営業・40代)は複数の消費者金融の利息負担で現金繰りが逼迫。売上は季節要因で回復見込みがあったため、全社に対して任意整理で利息カットと返済期間延長を行いました。ポイントは、事業収支の季節変動を見せて将来の返済能力を説明できたことと、主要債権者からの受諾を得たことです。事業継続を優先するケースでは、任意整理が優先されることが多いです。

4-2 会社員が個人再生で生活を再建したケース
Bさん(会社員・50代、住宅あり)は住宅ローンを除いた借金が数百万円~1000万円程度で、生活費は確保できていました。個人再生で借金を圧縮し、住宅ローン特則を活用して自宅を維持。再生計画の履行中は家計管理を厳格化し、再びローン滞納にならないように支出を見直しました。結果として住宅を残して再建できた事例です。

4-3 配偶者の借金が家計に直撃したケースの対応
Cさん(主婦)は配偶者が連帯保証人になっていた借金で家計が破綻寸前に。まず配偶者の債務の全容を確認し、連帯保証人の立場から支払義務がどう及ぶかを弁護士に相談。場合によっては債務整理と同時に、配偶者側の収入や財産の把握を行い、家族の生活費を確保するための公的支援(自治体の生活困窮者支援)を利用しました。

4-4 医療費・失業など大きな一次要因があるケースの整理
Dさん(失業・医療費重負担)は、一時的な要因で多額の借金が膨らんだケース。再就職見込みが高かったため個人再生を選択し、再生計画を立てたうえで職業訓練やハローワークの支援を受け、収入確保の見通しを立てました。一次的原因が明確であれば再生で立て直しやすいことがあります。

4-5 信用情報が影響して就労に影響が出たケースと回復の道
Eさん(金融機関での業務経験あり)は、自己破産の記録により一部金融系職種で採用が見送られました。回復策としては、自己破産後の誠実な生活再建(貯蓄、債務無の期間の確保)や職務経歴を充実させることで徐々に信用を回復させました。金融系職は採用時に信用調査を行うことがあるため、業種に応じた対策が必要です。

4-6 専門家の初回相談で得られる具体的アクション
初回相談では、以下のアクションプランを持ち帰ることが多いです。
- 借入一覧の作成方法と優先順位付け
- 交渉の方針(任意整理か裁判手続か)
- 必要書類の取得リストと取り寄せ方
- 生活費の確保と緊急時の公的支援利用案内

4-7 私の経験からの実践的アドバイスと注意点
筆者が相談対応でよく見る失敗は「情報開示が遅れる」「収入・支出の実態を曖昧にする」こと。正直に現状を伝え、早めに行動することで選べる手段が増えます。また、家族に事前説明をしておくことが精神的負担を大きく減らします。

4-8 成功と失敗の分岐点を整理するチェックリスト
- 早めに相談したか?(早いほど選択肢が多い)
- 借入の全容を把握しているか?
- 生活費を切り詰められる実行計画を立てているか?
- 専門家の説明を理解し、書面で確認したか?

5. 費用と期間・実務比較 — 具体的な数字でイメージしよう

債務整理で気になるのはやはり費用と期間。ここでは実務上よく見られる目安と節約のコツ、相談時に必ず確認すべきポイントを整理します。

5-1 各手続きの費用の内訳(着手金・報酬・実費など)
- 任意整理:着手金(事務所による)+成功報酬(減額や和解1件あたりの金額)+実費(郵送費等)。
- 個人再生:弁護士費用(着手金+報酬)、裁判所手数料、予納金、再生手続に伴う公告費等。
- 自己破産:弁護士費用、裁判所手数料、管財事件の場合は管財人費用(財産処分に伴う費用)。

5-2 弁護士と司法書士の費用相場の目安
- 任意整理(弁護士):1社あたり着手金2~5万円、報酬2~5万円(事務所差あり)。
- 個人再生(弁護士):30万~100万円程度(事案の複雑さによる)。
- 自己破産(弁護士):20万~80万円程度、管財事件はさらに実費が加わる。
(上記はあくまで目安。相談時に見積書を確認してください。)

5-3 公的窓口活用時の費用の負担軽減ポイント
- 法テラス(日本司法支援センター)は所得要件を満たせば無料相談や費用立替が利用できる可能性があります。地方自治体でも生活困窮者支援の相談窓口があり、生活再建の相談や一時的支援が受けられる場合があります。

5-4 手続きに要する期間の目安と遅延要因
- 遅延要因の代表:債権者からの情報開示が遅れる、書類不備、管財人選任による管財事件化、債権者の反対・異議申し立て。
- 目安:任意整理3~6ヶ月、個人再生6ヶ月~1年、自己破産6ヶ月~1年(管財事件は長期化)。

5-5 費用を抑えるための現実的なプランニング
- 法テラスや公的支援の利用。
- 初回面談で費用の内訳と分割可能かを確認する。
- 必要に応じて行政やNPOの家計相談を併用し、無駄な手続きを避ける。

5-6 費用と効果のバランスの判断材料
- 短期的な費用を抑えて任意整理を選び、長期的に返済が続かない場合は将来の費用やダメージが膨らむ可能性もある。費用対効果は「どれだけ早く生活や収入を安定させられるか」に依存します。

5-7 事例別の費用比較(売上規模・借入額別の目安)
- 借入総額200万円程度:任意整理で対応できるケースが多く、費用は比較的低め。
- 借入総額500万~1000万円:個人再生が現実的な選択肢となることが多く、弁護士費用は高めになる傾向。
- 借入総額が非常に大きくて返済の見込みがない:自己破産が選択肢となり得る。

5-8 相談時に確認すべき費用の質問リスト
- 着手金・成功報酬・実費の内訳は?
- 分割払いは可能か?法テラスの利用は適用されるか?
- 追加費用が発生するケースはどんな場合か?
- 交渉が不調に終わった場合の手続き変更時の費用は?

6. 生活・信用情報・就労影響を見据えた実践ガイド — 手続き後の生活設計

債務整理後の生活をどう立て直すかが最重要です。ここでは信用情報、就職、住宅ローン再取得までの道筋など、実務的観点で解説します。

6-1 信用情報機関(CIC/JICC/全国銀行協会系)への影響
主要信用情報機関には情報が登録され、登録期間は手続きによって異なります。ローンやクレジット審査はこれらの情報を基に行われることが一般的です。登録削除には一定の期間が必要で、短縮は原則難しいです。

6-2 就職・転職への影響と回避のポイント
- 金融・保険業など一部職種は信用照会を行うため、債務整理の記録が採用に影響を与えることがあります。
- 回避策:職務経歴を強化、自己破産後に一定期間誠実に生活再建したことを示せる書類や説明を用意する。採用面接での正直な説明と再発防止策の提示が有効な場合もあります。

6-3 生活再建のための資金計画と家計見直し
- 緊急予備資金(生活費3~6か月分)をまず目標にする。
- 固定費の見直し(保険、通信、サブスク)と不要資産の処分でキャッシュを確保。
- 再就職や副業の選択肢を早めに検討し、収入確保策を複数持つこと。

6-4 住宅ローン・車ローンなど借入再開のタイミング
- 一般に債務整理後、信用情報の登録期間が消えるまでローン審査は通りにくい。目安は任意整理で約5年、個人再生・自己破産で5~10年程度。
- ただし、住宅ローンは金融機関によって審査基準が異なるため、保証会社の審査や頭金の用意、勤続年数や収入の安定があれば早期に融資を受けられる場合もあります。

6-5 保険・年金・公的給付への影響の基礎
- 債務整理自体が年金の受給に直接影響することは通常ありませんが、手続き中の収入減で保険料の支払いが滞ることはあり得ます。
- 生活保護などの公的支援は、原則として自己破産後でも利用可能ですが、手続きに際しては管轄の福祉事務所での相談が必要です。

6-6 生活再建に役立つ支援制度・窓口の紹介
- 法テラス(日本司法支援センター):法律相談、費用立替など。
- ハローワーク:再就職支援、職業訓練。
- 各自治体の生活困窮者自立支援:緊急小口資金や住居確保給付金などの公的支援が利用可能な場合があります。

6-7 実務で使えるライフプランの作り方
- 短期(1年):生活費の確保と債務整理手続きの完了。
- 中期(1~5年):信用回復のための貯蓄と安定収入の確保。
- 長期(5年以上):住宅取得や大型ローン検討の準備(信用情報の回復後)。

6-8 失敗しない相談先の見極め方(信頼性の判断ポイント)
- 料金体系が明確か、見積りが書面であるか。
- 実績(処理件数、成功事例)を提示できるか。
- 初回相談で現実的な選択肢を複数提案してくれるか。
- 法テラスや弁護士会、司法書士会に登録されているか。

7. ケース別のよくある質問と注意点 — Q&Aでスッキリ解決

ここでは実務でよく聞かれる質問を整理して答えます。簡潔に、具体的に。

7-1 「債務整理をしても必ず借金がなくなるのか?」
- 任意整理:借金が無くなるわけではなく、利息カットや返済期間延長により支払負担を軽減する。
- 個人再生:再生計画に基づき一定割合まで圧縮される(全額免除ではない)。
- 自己破産:免責が認められれば多くの債務は免除されるが、税金や養育費など一部免責されない債権もある。

7-2 「自己破産と破産手続の違いは?」
- 一般に「自己破産」は破産手続を本人が申立てることを指し、裁判所の手続きで債務の免除(免責)を求める行為です。「倒産」は広い意味で支払い不能の状態や企業の破綻を指す言葉です。

7-3 「任意整理と個人再生の組み合わせは可能か?」
- 原則として同一債務について二重に手続きを行うことはできませんが、事案によっては一部債務を任意整理し、残りを個人再生で処理するといった組み合わせ的運用が行われることがあります。具体的には専門家と相談が必要です。

7-4 「手続き中の生活費はどう確保するべきか?」
- まずは家計の見直しと公的支援の検討(自治体の相談窓口、生活保護や緊急小口資金など)。
- 法テラスやNPOによる緊急支援情報を活用。弁護士・司法書士に相談すれば、事務所から生活資金に関する助言や手続き中の優先順位を教えてもらえます。

7-5 「就業型の仕事で影響が出やすい職種は?」
- 金融機関、保険業、警備業の一部など信用状態が重視される職種は影響が出やすいです。公務員の一部職種にも影響が出る場合があります。職種別の制限については担当の専門家に確認してください。

8. 参考情報と役立つ窓口(具体的な組織名と活用法)

実際に相談や手続きを行う際に役立つ代表的な窓口を挙げます。地域によって窓口の運用が異なることもあるので、まずは各組織の窓口で条件や予約方法を確認しましょう。

8-1 法テラス(日本司法支援センター)
- 概要:無料相談や収入に応じた費用立替、必要時の弁護士・司法書士紹介を行います。初めての相談先として有用です。
- 活用法:事前に電話やウェブで相談予約。収入要件による支援の可否を確認しましょう。

8-2 日本司法書士会連合会・各地域の司法書士会の相談窓口
- 概要:簡易な債務整理や書類作成支援で対応できるケースもあります。複雑な訴訟代理が必要な場合は弁護士に引き継がれることもあります。
- 活用法:地域の司法書士会で無料相談を実施している場合があるので、まずは事前予約を。

8-3 日本弁護士連合会・各弁護士会の無料相談窓口
- 概要:弁護士による初回相談や無料法律相談会が各地で開催されています。個人再生・自己破産のような裁判手続には弁護士の利用が有利です。
- 活用法:日本弁護士連合会の窓口や地域の弁護士会のページから予約・相談を申し込む。

8-4 信用情報機関(CIC/JICC/全国銀行協会系信用情報センター)
- 概要:CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会管理)が主要な信用情報機関です。自分の信用情報開示請求が可能です。
- 活用法:自分の登録情報を開示して、どのような記録が残っているか確認しましょう。

8-5 地方自治体の生活困窮者自立支援窓口(都道府県・市区町村)
- 概要:緊急小口資金、住居確保給付金、生活相談など、借金以外の生活支援が利用できる場合があります。
- 活用法:お住まいの市区町村の福祉窓口または自治体ホームページで条件や申請方法を確認。

8-6 全国銀行協会・信販系窓口の相談案内
- 概要:各金融機関・信販会社にも相談窓口があり、返済期日猶予やリスケジュールを相談できる場合があります。まずは担当窓口に早めに相談することが重要です。
- 活用法:取引のある銀行・カード会社の相談窓口へ連絡し、リスケジュールの可能性を探る。

9. まとめ — 今すぐできることと次の一歩

最後に、今できる具体的な一歩を整理します。
- まずは借入の全容を一覧にする(金融機関名、残高、利率、返済期日)。
- 早めに専門家(弁護士・司法書士・法テラス)に初回相談を申し込む。早期相談で選べる手段が増えます。
- 生活費の見直しと公的支援の検討を同時に進める。
- 家族や関係者に事前に説明し、連帯保証人の有無などリスクを共有する。
- 必要書類(給与明細、通帳、契約書など)を用意して面談に臨む。

ここまで読んだあなたには、債務整理と倒産の違い、代表的手続きの特徴、費用・期間の目安、生活や就職への影響まで一通りの道筋が見えたはずです。迷ったらまず行動、そして専門家に相談してください。早めの一歩が大きな違いを生みます。

参考出典(この記事で参照・根拠にした主な公的・専門情報)
- 法テラス(日本司法支援センター)公式情報ページ
- 日本弁護士連合会(弁護士会)公式サイトの債務整理関連ページ
- 日本司法書士会連合会の相談窓口案内
債務整理 弁護士 高評価で選ぶ方法|料金・手続き別の比較と実例つき完全ガイド
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)/株式会社日本信用情報機構(JICC)/全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会)による信用情報の登録・開示に関する説明
- 各裁判所・法務省の司法統計・破産・個人再生に関する統計資料
- ハローワーク(厚生労働省)や各自治体の生活困窮者自立支援に関する公的情報

(上記の参考出典は、詳細な数値・制度説明や手続きの最新情報を確認するための主要情報源です。具体的な手続きや費用の見積もりについては、各専門窓口で最新の情報を確認してください。)



(注意)本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。個別事案については、弁護士または司法書士等の専門家にご相談ください。

債務整理 おすすめ - あなたに合った手続きの選び方・費用・流れをやさしく徹底解説

債務整理で悩んだら読む記事:弁護士と司法書士の違いを費用・手続き・選び方まで徹底解説