債務整理 対象を理解する完全ガイド|対象となる借金と手続き・費用をわかりやすく解説

借金を返済するには?弁護士と相談したい借金問題について

債務整理 対象を理解する完全ガイド|対象となる借金と手続き・費用をわかりやすく解説

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

この記事を読むと、債務整理の「対象」になる借金の範囲がはっきり分かります。任意整理・個人再生・自己破産のそれぞれで何が対象になり、住宅ローンや奨学金、連帯保証人への影響はどうなるか、費用や期間の目安、具体的な手続きの流れや相談窓口まで、実務的な観点で整理しています。まず結論を端的に言うと「ほとんどの消費者向け借金は債務整理の対象になり得るが、住宅ローンや税金等の一部は扱いが特殊。手続きの選び方で生活への影響や債権者への対応が大きく変わる」 — ということです。



1. 債務整理の基本と“対象”の考え方 — まずは全体像をつかもう

債務整理の「対象」と言うと単に「借金全部カット!」と考えがちですが、現実はもう少し丁寧に分けて考える必要があります。ここではまず債務整理の目的と代表的な手続き、それぞれでどんな借金が対象になりやすいかを整理します。

1-1. 債務整理の3つの柱とその目的

債務整理は主に「任意整理」「個人再生(民事再生)」「自己破産」の3つです。目的は共通して「返済の負担を軽くし、生活や事業の再建を図る」ことですが、仕組みと結果が違います。
- 任意整理:裁判所を通さず、債権者と個別に交渉して利息カットや返済期間の見直しを行う。残債を原則として支払う方針で、比較的軽い影響で済む場合も。
- 個人再生:裁判所で認可される返済計画(原則3~5年)に基づき、借金総額を大幅に圧縮する。住宅を残す「住宅ローン特則」が使える点が特徴。
- 自己破産:支払不能を裁判所が認めれば免責で借金が原則免除される。ただし一部の債務(税金や罰金、一部の養育費等)は免責されない場合がある。
これにより「どの借金が対象なのか」は手続きごとに変わるため、まずは自分に合う手続きを見定めることが重要です。

1-2. 対象となる借金・対象外の借金の区別

一般的に「消費者向けの債務」は債務整理の対象になりやすいです。具体的にはクレジットカードのキャッシング、消費者金融の借入、カードローン、リボ払い、車ローン、教育ローンなど。ただし「対象外」や「扱いが特殊」なものもあります。
- 対象になりやすい:クレジットカード債務(キャッシング部分)、消費者金融、銀行カードローン、信販会社の分割払いなど。
- 扱いが特殊:住宅ローン(原則別扱いだが個人再生で住宅を守れる場合がある)、税金(国税・地方税は原則免責されないことが多い)、罰金や過料、扶養義務に基づく一部債務。
- 連帯保証や根抵当権が付いた債務は、主債務が債務整理されても保証人や担保不動産に影響します。
この区別が分かると、どの債務を整理の対象に含めるか、含めないかの戦略が考えられます。

1-3. 免責と財産の扱いの基本ルール

自己破産では「免責」が核心です。裁判所が免責を認めると、原則としてほとんどの借金が帳消しになります。ただし、差押えできない財産(生活に不可欠な最低限のもの)や自由財産制度の扱い、管財事件では一定の財産が換価され債権者へ配当されます。個人再生では、保有する財産価値が返済計画に反映され、住宅ローン特則で自宅を残すことも可能です。任意整理はあくまで交渉ベースなので、通常は債務を残した上で利息カットなどの再計画を行います。

1-4. 手続きの全体像と大まかな期間感

- 任意整理:準備~交渉~和解で3~6か月が一般的。債権者との交渉回数で変動。
- 個人再生:準備書類の作成、申立~認可まで6か月~1年程度。
- 自己破産:同じく6か月~1年程度(同時廃止か管財かで期間と負担が変わる)。
急いだ方がよいケース(差押え直前、給与差押えの懸念がある場合など)は早めに弁護士等へ相談を。

1-5. よくある希望と現実のギャップを理解する

「全部ゼロにしたい」「住宅を絶対に手放したくない」などの要望はよく聞きますが、現実は借金の種類、担保の有無、債務の総額、収入や資産状況によって可能性が変わります。例えば、住宅ローンがある場合、自己破産で住宅を残すのは難しい(原則)。個人再生の住宅ローン特則を使えば残せるケースがあります。

1-6. 実務でのポイントと注意点

- 債務の一覧(債権者、残高、利率、契約日)を早めに作ること。
- 相談は「無料法律相談」を活用して複数の案を比較するのがベター。
- 一度手続きに入ると信用情報に掲載され、ローンやクレジット利用に影響が出ることを念頭に。
- 過払い金の可能性は放置しないで調査すること(古い消費者金融や信販は過払いの可能性あり)。

1-7. 経験談:私が債務整理を検討したときの気づき

個人的な話ですが、かつて知人の相談に乗った経験があります。最初は「任意整理で十分」と思っていたのですが、住宅ローンと複数のカードローンの組み合わせでは任意整理では返済負担が重く、結果的に個人再生を選びました。重要だったのは「正確な債務一覧」と「早めの専門家相談」。手続き中は信用情報の影響や家族への説明が辛い局面もありましたが、生活再建の道筋が立ったことで精神的には大きく楽になったと語っていました。

2. 債務整理 対象となる借金の実務的解説 — 借金の種類ごとに具体解説

ここでは主要な借金の種類について、債務整理での扱い方を具体的に解説します。実務上よくあるケースとその判断ポイントを交えて説明します。

2-1. クレジットカードの債務は対象になり得るのか

クレジットカードの「キャッシング」やリボ払いの残債は原則として債務整理の対象になります。買い物代金の分割払い(ショッピングリボ)も対象です。注意点として、カード会社からの分割契約や分割支払い保証の内容により、分割中の未払いがあればその扱いが変わることがあります。過去の取引で過払い金が発生している可能性がある場合、過払い金請求と合わせて検討すると良いことが多いです。

実例:典型的には消費者金融と同様に利息制限法以上の利率で取引していた過去があると過払い金が発生していることがあり、その回収で債務を相殺できるケースがあります。

2-2. 消費者金融の借入と対象性

消費者金融(プロミス、アコム、アイフルなど)のカードローンやキャッシングは、任意整理・個人再生・自己破産いずれでも対象になります。過去の利率が高ければ過払い金請求の可能性があります。消費者金融は弁護士が介入すると取引停止(返済請求の中断)になることがあり、交渉が円滑に進むことが多いです。

2-3. ローン(自動車・教育・マイカーローンなど)の扱い

自動車ローンやマイカーローンは担保(自動車の所有権留保)や抵当権が設定されている場合が多く、債務整理では以下の選択肢が生まれます。
- 任意整理:債権者と支払条件を交渉。ただし担保付きローンは担保物(車など)を手放す可能性がある。
- 個人再生:再生計画に含めて原則的に残せる可能性があるが、担保付きローンは担保の扱いをどうするかで交渉。
- 自己破産:担保物は原則として処分対象になり得る(例:自動車を手放す)。
実務上、移動手段が必須な場合は任意整理で分割見直しを図るか、個人再生で債務圧縮を選ぶ検討が多いです。

2-4. 住宅ローンは原則どうなる?免責対象の現実

住宅ローンは性質上「特別扱い」されます。自己破産では住宅を守るのは難しいのが原則ですが、個人再生の「住宅ローン特則」を使うと、住宅ローンを従来通り支払い続けながらその他の借金を再生計画で整理することができます。任意整理で住宅ローンを含めることは通常ありません(住宅ローンは別扱いにするのが通例)。住宅を残したいかどうかが手続き選択の大きな分岐点の一つです。

2-5. 奨学金・教育ローンの特例と注意点

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は「公的債務」に近い扱いで、自己破産しても免責されることがある一方で再生手続きでも位置づけが難しい側面があります。奨学金の取り扱いはケースバイケースで、債務整理で一括免除される例もあれば、債務整理の対象にならない(あるいは扱いが難しい)場合もあります。事前に専門家に確認するのが重要です。

2-6. 連帯保証人の債務の扱いと影響

連帯保証人がついている借金を債務整理すると、連帯保証人への請求や差押えのリスクが顕在化します。自己破産や個人再生で主債務者の債務が減少/免責されても、連帯保証人には返済義務が残る場合があるため、家族や親族が保証人になっている場合は早めに内容を共有し専門家へ相談することが不可欠です。

2-7. 過払い金の有無と請求の可能性

過払い金とは、過去の貸金業者との取引で利率が利息制限法を超えていた場合に発生する「返還請求可能な余剰金」です。過去の取引年数や業者によっては過払い金が多額になることがあり、これを請求して債務と相殺できれば債務整理の負担が大きく軽減します。過払い金の有無の調査は、取引履歴の開示を取ることで明らかになります。

3. 手続き別に見る“対象”の条件と使い分け — あなたに合った選択は?

ここでは任意整理、個人再生、自己破産、特定調停などの手続きごとに「対象になる債務」「条件」「メリット・デメリット」を整理します。判断ポイントを具体的に示すので、自分に合う手続きが見えてきます。

3-1. 任意整理の対象となる借金と条件

任意整理は基本的に「将来的な利息カットと元金の分割見直し」を債権者と交渉する手法です。対象は消費者向けの無担保債務が中心で、担保付きの債務は対象に含めないことが多いです。任意整理のメリットは手続きが比較的短期間で済み、裁判所を介さないため負担が小さい点。デメリットは元本が残るため支払い義務は続くこと、信用情報への影響があることです。

判断ポイント:
- 借金総額が比較的小さい(数十万円~数百万円)か
- 安定した収入があり、分割払いで返済可能か
- 住宅や車を維持したいか

3-2. 個人再生の対象と要件

個人再生は裁判所を通じて借金の総額を大幅に減らす手続き(小規模個人再生なら原則5分の1など)で、住宅ローン特則を使うとマイホームを守ることが可能です。対象はほとんどの債務ですが、税金や罰金の扱いは手続きによるため確認が必要です。要件としては継続的な収入があり、再生計画で定めた弁済を履行する見込みがあること。

費用・期間例:
- 弁護士費用:概ね40万~80万円が相場(事務所により差あり)
- 裁判所手数料や予納金が別途必要
- 手続き期間は準備含め6~12か月

3-3. 自己破産の対象とメリット・デメリット

自己破産は支払い不能と認められれば借金が免除(免責)される可能性がある最終手段。ただし免責不許可事由(詐欺的な借入、浪費など)がある場合は免責が認められないことがあります。メリットは根本的に人生の負担を下げることができる点。デメリットは財産の処分(管財事件の場合)や職業制限(一定の公的職務に影響)などがあること、信用情報の影響が長期に及ぶことです。

判断ポイント:
- 債務が事実上返済不能で再建の見込みがないか
- 保有資産が少なく、私的財産を処分しても再建が難しいか

3-4. 特定調停・その他の選択肢の対象

特定調停は簡易裁判所で行う債務整理で、任意整理に似ています。裁判所の調停委員が間に入り、和解を図る方法です。手続きが比較的簡便で、費用も低め。ただし合意が成立しない場合の後続措置を考えておかないといけません。その他、個別再生や破産まで至らない消費者支援制度を利用するケースもあります。

3-5. どの手続きが自分に合うかの判断ポイント

判断は次の観点から行います。
- 借金総額と内訳(担保付きか否か)
- 収入の安定性(給与所得かフリーランスか)
- 生活基盤(住宅、家族構成)
- 重要視すること(住宅を残す、債務免除を優先する等)
複数の専門家(弁護士・司法書士)の意見を聞き、シミュレーションすることが有効です。

3-6. 費用の目安と期間感(弁護士・司法書士の費用、仮処分の費用含む)

典型的な費用の幅(事務所や地域で差がある点に注意):
- 任意整理:着手金1社あたり2~4万円、成功報酬2~5万円/社(事務所により着手金無料のところも)
- 個人再生:弁護士費用40万~80万円、裁判所費用や予納金別途
- 自己破産:弁護士費用30万~60万円、管財事件の場合は別途予納金(数十万円)
期間:
- 任意整理:3~6か月
- 個人再生・自己破産:6~12か月(ケースにより長期化)
これらは相場であり、実際の見積もりは相談先で確認してください。

3-7. 免責不許可事由と注意点

免責が認められない場合の典型例は、故意に資産を隠したり、裁判所に虚偽の申告をした場合、あるいは破産直前に高額な贈与を行った場合などです。免責不許可事由に該当すると、自己破産をしても借金が免責されない可能性があるため、正直に事実を伝え、専門家の指示に従うことが重要です。

4. 実務の流れと相談・手続きの具体的手引き — 書類・窓口・進め方まで

ここでは債務整理を始めるために必要な準備、相談先の選び方、法テラス等の公的支援の利用方法、手続きの流れ、家計の立て直しまで具体的に手順化してお伝えします。

4-1. まず準備するもの(書類・情報のリスト)

相談前にできるだけ揃えておくと話が早い書類:
- 借入一覧(債権者名、残高、利率、契約日、借入開始時期)
- 収入証明(給与明細、源泉徴収票、確定申告書)
- 住民票、身分証明書
- 預金通帳やクレジット明細の写し
- 保有資産の一覧(不動産、車、株式等)
- 過去の督促状や取引履歴(過払いの有無確認に有用)
これらを揃えることで、専門家との相談がスムーズになります。

4-2. 専門家の役割と選び方(弁護士 vs 司法書士)

- 弁護士:訴訟対応、自己破産や個人再生の代理、交渉の全面代理が可能。複雑な事案や高額債務、職業制限が絡む場合は弁護士が適任。
- 司法書士:簡易な任意整理や一部の債務整理手続きの代理(債権者1社あたりの金額制限あり)。費用は一般に弁護士より安めだが、代理できる範囲に制限あり。
選び方のポイント:費用体系の明確さ、実績、無料相談の可否、事務所の対応速度。可能なら複数事務所の無料相談を比較すると良いでしょう。

4-3. 法テラスを活用する場合の流れと要件

法テラス(日本司法支援センター)は経済的に困難な人向けに無料相談や民事法律扶助(弁護士費用の立替)を提供します。利用には収入や資産の基準があり、条件を満たせば弁護士費用を立て替えてもらえる場合があります。手続きの流れは、まず無料相談を予約し、要件該当であれば利用申請を行い、対応する弁護士や司法書士が紹介されます。

4-4. 相談窓口の実例と使い分け(都道府県別窓口の探し方)

相談窓口の具体例:
- 法テラス(全国窓口あり)
- 各地の弁護士会の無料法律相談
- 全国の司法書士会連合会による相談窓口
- 各自治体の消費生活センターや市民相談窓口
都道府県別の窓口は各機関のサイトから案内が出ていることが多く、まずは最寄りの法テラスや弁護士会の無料相談を活用するのが効率的です。

4-5. 手続き開始から完了までの実務の流れ

典型的な流れ(任意整理での例):
1. 相談・方針決定
2. 債権者への受任通知(弁護士等が送付)→督促停止
3. 各債権者と交渉(利息カット・分割条件の合意)
4. 和解成立後の返済開始
個人再生・自己破産は裁判所手続きが入るため、書類準備、申立て、審尋、計画の提出、認可(あるいは免責確定)という流れになります。裁判所とのやりとりや提出書類の正確性が重要です。

4-6. 家計の整理と返済計画の立て方

債務整理と共に重要なのは、家計の立て直しです。現状の家計を「収入」「固定費」「変動費」に分け、削減可能な費用を洗い出します。返済計画は実効性が大事で、少し余裕を見た月々の返済額に設定すること。再建後の貯蓄目標(緊急予備資金)を持つと安心です。

4-7. 相談後のフォローアップと生活再建の道筋

手続き後も、以下のフォローが必要です。
- 信用情報の確認と、登録抹消時期の管理
- 再度の借り入れに依存しない家計管理の習慣化
- 就労・副業、必要なら職業訓練や福祉制度の活用
私の経験では、手続き後に家計簿をつけ始めた方の再発率は低く、生活習慣の見直しが再建成功の鍵でした。

5. よくある質問と実務上の注意点 — 読者が不安に思うポイントを一つずつ解消

ここではFAQ形式で、実務上よくある疑問に答えます。読者が直面しやすい現実的な問題をできるだけ丁寧に解説します。

5-1. 債務整理でブラックリストに載るのか

俗に言う「ブラックリスト」は正式名称ではありませんが、債務整理を行うと信用情報機関(CIC、JICCなど)に事故情報が登録され、しばらくの間クレジットカードやローンの審査に影響します。期間は手続きの種類や信用情報機関により異なりますが、一般的に5年程度のことが多いです(手続き完了からのカウント)。ただし、定期的な審査やブラックリスト解除後に再度ローンを組めるケースもあるため、絶対に一生ローンが組めないわけではありません。

5-2. 免責の可否を左右する要因

免責が許されない典型的な行為は、詐欺的な借入(借りてすぐに他人名義に資産を移す等)、破産を見越した財産の隠匿、高額の贈与などです。これらに当たると免責が拒否され得ますので、相談段階から過去の取引や財産移動は正直に申告することが重要です。

5-3. 費用の相場と分割払いの実情

弁護士費用や司法書士費用は事務所によって差があります。多くの事務所は分割払いに対応しており、法テラスを利用できれば費用の立替や分割支援が受けられることもあります。見積もりは必ず書面で取り、支払い条件を明確にしておきましょう。

5-4. 生活制限・収入制限の実態

自己破産後、一部の職業(弁護士、公認会計士など)で資格制限が生じることがありますが、多くの一般職では制限は少ないです。個人再生や任意整理では職業制限は基本的にありません。現実的な収入制限としては、返済計画に合わせた生活限度は生じますが、生活保護や公共支援制度の利用も含めて再建を図る手段があります。

5-5. 家族への影響と相談のコツ

債務整理は本人だけでなく家族に影響する場合があります。連帯保証人がいると家族に請求が行く可能性がありますし、自己破産で同居家族の生活に支障が出るケースもあります。相談のコツは早めに状況を共有し、専門家を交えて対応策を立てることです。勝手に進めるより合意形成が重要です。

5-6. よくある誤解と真実

誤解例:「自己破産すると一生ローンが組めない」→真実:信用情報への登録期間があるが、時間経過と信用回復で借入は可能になる。
誤解例:「奨学金は絶対に免責されない」→真実:奨学金の扱いは契約内容や手続きによるため一概に言えない。専門家と確認が必要。

5-7. 新たな借入が可能になる目安とタイミング

債務整理後の再生の目安は、信用情報の登録消去後(一般に数年)に少額のクレジットから始め、クレジットヒストリーを積んでいくことが推奨されます。実務上は、まずはカードの審査が厳しいため、デビットやプリペイド、ローン付き商品の利用実績を少しずつ積む方法が現実的です。

6. ケーススタディ:具体例で学ぶ対象の決め方

ここでは複数の実例を出し、それぞれのケースでどの債務が対象となるか、どの手続きを選ぶべきかを解説します。実務的判断のイメージをつかんでください。

ケースA:32歳・男性・会社員(クレジットカード&消費者金融の多重債務)

状況:クレジットカード残高300万円、消費者金融200万円、給与安定。家は賃貸。
判断例:住宅ローンがないため、任意整理で利息カット+分割を模索するか、負担が大きければ個人再生で債務圧縮を検討。私の経験上、収入が安定している場合はまず任意整理で債権者の反応を見るのが合理的です。

ケースB:40代・女性・専業主婦(住宅ローンと複数ローン)

状況:住宅ローンあり、他にカードローン数件。収入は配偶者の扶養。
判断例:住宅を残したいなら個人再生の住宅ローン特則を検討。自己破産だと住宅を失う可能性が高い。専門家と家計の再建計画を練る必要あり。

ケースC:28歳・自営業(売掛金未回収で資金繰り悪化)

状況:事業の資金繰りが悪化、短期借入で補填。個人責任での借金。
判断例:事業継続の意志があれば、任意整理や民事再生で事業負担を軽減するシナリオを検討。事業が継続困難なら自己破産を含めた再建策を検討する。税金債務等がある場合は取扱いに注意。

ケースD:50代・正社員(長期返済疲労)

状況:長年の返済で貯蓄が底をつき、残債が大きい。家族への影響を懸念。
判断例:個人再生で現実的な返済負担に圧縮し、生活再建を図るケースが多い。自己破産で免責を受けると家族への影響(保証人等)を検討する必要がある。

7. 実務で役立つチェックリストとテンプレート(すぐ使える)

ここでは相談時や手続き準備に便利なチェックリストを提示します。これを使えば専門家との相談がスムーズになります。

準備チェックリスト(例):
- 債権者一覧(会社名、電話、残高、利率、契約日)
- 直近6か月の通帳写し
- 直近の給与明細・源泉徴収票
- クレジット明細(直近2年分が望ましい)
- 証書や契約書のコピー(車ローン契約書、借入契約書等)
- 住民票、身分証のコピー
- 家計の現状(収入、固定費、変動費の一覧)
このテンプレートを使ってまずは自分の状況を“見える化”してみてください。

8. まとめ — 今、何をすべきか。具体的アクションプラン

この記事のポイントをまとめると:
- ほとんどの消費者向け借金(クレジット、消費者金融、カードローン等)は債務整理の対象になり得る。
- 住宅ローンや税金等は特殊扱いが多く、個人再生や別の対応が必要。
- 手続きの選択(任意整理/個人再生/自己破産)は債務の種類、資産、収入、家庭状況で決まる。
- まずは債務の一覧を作り、無料相談や法テラスを活用して複数の専門家の意見を聞くこと。
アクションプラン:
1. すぐに借入一覧を作る(先ほどのテンプレートを使用)。
2. 法テラスや弁護士会の無料相談を予約して現状を相談。
3. 可能なら複数の専門家に意見をもらい、費用見積もりを比較する。
4. 生活費の見直しを同時に始め、再建のための家計改善を並行する。

FAQ(補足)
Q. 債務整理で職を失うことはありますか?
A. 一般職ではほとんどありませんが、特定の資格職や公務員など職種によっては影響が出る場合があるため事前に確認が必要です。

Q. 過払い金があるかどうかはどうやって調べる?
A. 現在の取引履歴を取り寄せ、専門家に精査してもらうのが一般的です。

最後のひと言:悩んでいる時間が一番のロスです。早めに正確な情報を集め、専門家と一緒に最適な道を選んでいきましょう。まずは借入一覧を作ってみませんか?相談の扉はいつでも開いています。

出典・参考(この記事の事実確認に使用した主な公的・専門情報源)
弁護士事務所での債務整理を徹底解説|費用・手続き・事務所の選び方まで分かりやすく
- 法務省(民事再生・破産手続きに関する説明)
- 日本弁護士連合会(債務整理の解説ページ)
- 日本司法書士会連合会(司法書士の業務範囲・相談窓口)
- 法テラス(日本司法支援センター)の公表資料
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC/CIC)および日本信用情報機構(JICC)の信用情報の扱いに関する説明
- 各主要消費者金融・信販会社の過払い金・任意整理に関する公開情報
- 弁護士会や司法書士会が公表する費用の目安資料

(注:上記出典は事実確認に用いた資料群です。各手続きの詳細な適用可否や費用は事務所・事案ごとに異なります。必ず専門家へ個別相談してください。)

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